SLEの方の倦怠感

SLE(全身性エリテマトーデス)の患者さんの多くが、「とにかく疲れやすい」「朝からもうしんどい」といった強い倦怠感に悩まされています。この倦怠感は、検査値や見た目だけでは分かりにくいことが多く、ご本人だけがつらさを抱え込みやすい症状です。

 

SLEの方の倦怠感の原因

SLEの倦怠感は、大きく三つの要素に分けて考えることができます。
一つ目は、SLEそのものの病勢による倦怠感です。関節炎や漿膜炎、腎炎などがはっきり出ていなくても、体の中で免疫が軽く「燃えている」ような状態が続くことで、強いだるさとして感じられることがあります。採血や診察での疾患活動性の評価だけでは拾いきれず、「検査は落ち着いているのにしんどい」と言われるケースが少なくありません。

二つ目は、治療薬、とくにグルココルチコイド(ステロイド)による影響です。ステロイドはSLEの治療に欠かせない薬ですが、長期投与や中等量以上の使用では、筋力低下や睡眠リズムの乱れ、精神的な不調などを通して倦怠感を悪化させることがあります。そのため、病勢をしっかり抑えながら、できるだけ安全にステロイドの量を減らしていくことが、長期的な倦怠感の軽減にもつながります。

三つ目は、SLE以外の要因による倦怠感です。不眠症や睡眠の質の低下、ビタミンD欠乏症、貧血、甲状腺機能異常、抑うつや不安など、さまざまな身体・精神の状態が「だるさ」に影響します。これらはSLEに合併しやすいものも多く、「病気が悪化しているのか、それとも別の原因か」を丁寧に見分けることが大切です。

検査では見えにくい倦怠感

SLEの診療では、どうしても血液検査の数値や画像所見に目が向きがちですが、倦怠感はそれだけでは評価しきれません。検査上は安定していても、「以前と比べて家事や仕事が続かない」「休んでも疲れが取れない」といった変化は、生活の質に大きく影響します。それにもかかわらず、「検査が落ち着いているから大丈夫」と片付けられ、十分に取り上げられていないことも少なくありません。

当院では、SLEの倦怠感を「数値に出にくいが、とても大事な症状」として受け止め、問診で日常生活の様子や睡眠、気分の変化などを丁寧にお伺いします。そのうえで、病勢、治療薬の影響、その他の病気や生活背景のどこに改善の余地がありそうかを一緒に整理していきます。

一緒に原因を整理し、対策を考えます